直島の家プロジェクトの一つ、「はいしゃ」を見に行きました。全部見たいな~と思ったんだけど日帰りで時間もなかったので、とりあえずここだけで。
建物の全景。
家プロジェクトとは?
家プロジェクト
家プロジェクトは直島・本村地区において展開するアートプロジェクトです。「角屋」(1998年)に始まったこのプロジェクトは、現在、「角屋」「南寺」「きんざ」「護王神社」「石橋」「碁会所」「はいしゃ」の7軒が公開されています。点在していた空き家などを改修し、人が住んでいた頃の時間と記憶を織り込みながら、空間そのものをアーティストが作品化しています。
直島にはいろんな地区があるんですけど、その中でも「本村(ほんそん?)」地区の建物を用いて展開しているプロジェクトだそうです。1998年って…結構昔からやってるんですね。もう20年ぐらいになるのか。
これら作品の中に入るには有料のチケットが必要です。直島の案内所などで買えるそうなので、行く予定の人は予め準備しておきましょう。各建物に行ってもそこでチケット販売はしてなかったので…(2016年秋現在)
「はいしゃ」とは?
かつて歯科医院兼住居であった建物を、大竹伸朗がまるごと作品化しています。家のあるところは彫刻的であり、または絵画的であり、あるいはさまざまなものがスクラップされているなど、多様なスタイルが盛り込まれています。作品タイトルの「舌上夢」という言葉は、何かを口にしている時、味や匂いなどの感覚からたどる夢の記憶のプロセスを表現しています。
はいしゃは本村の家プロジェクトのなかでも、結構外れの方にありました。 「舌上夢」の名前の通り、懐古的な趣向を凝らした風貌です。
廃墟感があって堪らないです。。。
家の前には階段があります。タイルでできているようですね…昭和の台所や風呂場で使われているタイルみたい。色褪せた花柄が、彼らが現役だった時代との落差を思わせて切なくなります。
動かない時計と赤いネオン。廃墟感満載の見た目ですが電線が伸びていて、かろうじて電気はつながっているようです・
下からのアングル。2階建ての「はいしゃ」。トタンを切り貼りした壁は今にも崩れそうで怖くなります。。。
どこを見ても錆びたトタンや鉄板に覆われています。これらの材料、一体どこから調達したのか。誰かの家で使われていた途端なのでしょうか。
拡声器?のようなものが。稼働はしていないようですけれども。
さて、こちらのはいしゃさん、室内の撮影が禁止されています。なのでこれ以降写真はないのですが、…直島に行ったなら、ぜひ立ち寄ってみてほしいです。
ざっくり作品を並べると↓な感じ
・一面青の吹き抜け部屋
・曲線を描く黒い柱の部屋
・トイレ
・直島を見渡す窓
・自由の女神(2回め)
それぞれを言語化するのは難しいのでなんとも言えないんですが、「かつて人が住んでいた」ことを感じる、ノスタルジックな作品が多く、時間を忘れて空間と戯れることができました。
特に吹き抜け部屋の天井に吊るしてあった電球が、ばあちゃん家の電球とよく似ていて懐かしくなった。
あと自由の女神のインパクトは抜群なのでぜひ見てほしい。地味にトイレもステキですよ。
トタンや鉄板の一枚一枚、使われた廃材の一つ一つに歴史があって、誰かの家に使われていて、人の営みを眺めていたのかなあ、それらがまた「はいしゃ」として生まれ変わり、新たな営みにつなげていくのかなあ、みたいなことをぼんやり考えていました。
はいしゃについては下記のブログさんも詳しく書かれているので是非参考に…
直島は路地だらけの町で、時間がゆったりと流れていて良い場所でした。
fregrantedolive.hatenablog.com
ときどきピカピカハレンチな気分にもなれるのでおすすめです。