「この世界の片隅に」見てきました。
結論から言うと
めっっっっっっっっちゃ良かった泣いた
*
のんさんの演技が最高だしコトリンゴさんの曲もいい。
今年はアイアムアヒーロー/シン・ゴジラ/君の名は。ぐらいしか映画見てないんですけど
その中で一番泣きました。
それもね、こう、
映画「泣かせにきたぞぉオオオ」わたし「うぉおおお泣かされにきたぞおお」
っていうんじゃなくて
わたし「あれ……なんか目から熱いものが……ふふ、なにこれ……」
って感じで、はらはらと自然に涙が出てくるような感じでした。
なんだかとてもきれいな涙を流した気がするの。。。
*
あんまりネタバレしない方向で書き留めておきますね。
原作をね、ざっくりとしか読んでいないんですけど、
海の白波を兎に見立てる描写が好きだったんです。そこの映像もすごくきれいでした。
多分原作を読んでいない人でも話の流れはわかるし楽しめると思うんだけど、
原作読んでたほうが、漫画の独特な描写を映像化するとこうなるんだーって感じで2倍楽しめると思うので、原作読むのおすすめです。
コンテクスト
あとこう、作品独特の間のとり方っていうか……シーンの切り替わりに一瞬の空白があるんですよね。
そこで「何が起こったのか」を察することができないと、話を理解するのがちょっとむずかしい、かも?文脈?コンテクスト?映像の文脈ってなんだよって感じだけど、0からベラベラ解説してくれる映画ではないので。その空白も含めて楽しめる人は最高に面白い映画なんじゃないかな。

ユリイカ 2016年11月号 特集=こうの史代 ―『夕凪の街 桜の国』『この世界の片隅に』『ぼおるぺん古事記』から『日の鳥』へ
- 作者: こうの史代,片渕須直,のん,西島大介
- 出版社/メーカー: 青土社
- 発売日: 2016/10/27
- メディア: ムック
- この商品を含むブログ (5件) を見る
のんさん
のんさんの演技はすごいね。最初の方は「ああ、女優さんが声を当ててるなあ」って感じなんだけど、話が進むともはや目の前にはすずちゃんしか見えない。のんさんの声がすずちゃんを形作っていく。広島弁も聞いてて可愛らしくて和みます。実はあまちゃん見ていなかったんだけど、のんさんの演技力?声優力?ほんとにすごいなって思いました。
あ、もちろん声優陣も豪華です!すずちゃんの旦那さんである周作さんの声は細谷佳正さん。ハイキューで東峰旭やったり、黒子で日向やったりしてた方。
すずちゃんの学友である水原の声は小野大輔(小野D)さん。こちらはもう有名なので割愛。声優ファンにとっても結構美味しい映画なのでは。。。と思います。
周作さんも水原もイケメンなんだよね><ほんとに…><心がイケメン><
愛
あと、この映画の見所の一つとして、北条夫婦の無償の愛があるかなあと。
わたし、「君の名は。」はあんまりハマらなくて、結婚したいとかも思わなかったんだけど
「この世界の片隅に」を見たあとは無性に結婚したくなりました。。。
あのね、見れば分かるんですけどほんとうに可愛いんですよ。新婚初夜とか、防空壕での口づけのシーンとか、北条夫婦の互いを思いやる優しさと慈愛に満ちていて、映画見ながらニヤケが止まらねえ。マジで。ニヤニヤしてしまう。
すずが右手を失ったあとに機銃掃射を逃れるシーンの二人も良かったな。上辺だけじゃなく人を愛してるすずちゃんが、周作さんが、本当にステキだと思った。私も周作さんみたいな人と結婚したいです。。。
リンちゃん
あとね、リンちゃん。りんちゃんがすごくかわいい。映画のりんちゃんほんとうに可愛い。幸せになって、幸せになって欲しい。たまらない。りんちゃんの寂しそうな笑顔が、「もうこんなところ来るんじゃないよ」ってセリフが、もう、ちくしょう…私が幸せにしてやりたい。。。
本編が終わったあとにちょこっとだけおまけっていうか、冒頭のおばあちゃんの家に出てきた「座敷わらし」のルーツを紹介する動画があるんだけど、ソレぜひ見てほしいです。私はここで最後にもう一度泣いてしまった。
提督なんですけども
私提督なので艦隊が出てくるとそわそわしてしまうんですが、提督にもぜひ見てほしいです。
大和と武蔵、青葉、筑摩あたりは絵で出てくるので。そうそう、すずの学友の水原くんは「青葉」にのってる水兵さんなので、この辺の話は比較的深掘りされてます。

艦隊これくしょん -艦これ- 水雷戦隊クロニクル (3) (角川コミックス・エース)
- 作者: 深山靖宙,「艦これ」運営鎮守府
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2016/11/26
- メディア: コミック
- この商品を含むブログ (1件) を見る
正直ショッキングな描写もある
優しいタッチの絵柄だけど、無慈悲なシーンも結構あるし最後の原爆落ちてからの展開は結構エグいです。落ち込んでるときにあのシーンだけ見たら病みそう。すみちゃんが被爆して、アザが出てくるシーンとかも今後の展開を予想させて、結構胸に来るものがあります。テーマがテーマだけに、優しいだけでは終わらないし相応の悲しみや怒りがある、けど最後には救いもあるんですよね。原爆が落ちて戦争が終わったあと、日本は奇跡的な復興を遂げて高度経済成長時代を迎えるわけで。悲しいだけで終わらないけど、確かに戦争の衝撃を心に刻みつけていく作品だな、と思いました。
まとまらねえ
あーあ…色々と泣けるシーンはあったんだけど、まとまらないな……。はるみちゃんの話とか、右手の話とか、原爆の話はきっと誰かが詳細に語ってくれていると思うので、最後に個人的に最も印象的だったシーンを一つ。
個人的に印象に残ったシーン
戦争が終わって、みんなが「普通の生活」を取り戻そうと動き出した頃。
周作さんのお父さん(すずの義父)は、広海軍工廠技師なんですよ。飛行機とか?マシンのエンジンを作ったりしてたぽいんですが、映画の最後にその膨大な設計書を燃やすシーンが有るんですよね。
設計書を手にとって、感慨深そうな表情で眺めては一度手を止めて、でもやっぱり焔の中に放り投げる。あっという間に灰になる設計書。ただそれだけ、5秒ぐらいのシーンなんだけど。
私はここですごく心を揺さぶられた。
何年も何年もかけて、飛行艇がうまく飛ぶように、長く飛ぶように、かっこよく、勇ましく、きっとお国のためにというよりも、飛行艇のためにたくさん勉強して設計も開発もがんばってきたんだろうに。敗戦となった瞬間、機密保持の関係で燃やさなきゃいけなくなって。重ねてきた努力が一瞬で灰になって、我が子のように愛でてきた飛行艇も跡形もなく消えてしまって。無念というか、虚無というか。その気持は当時の兵隊さんにしかわからないんだろうけど、そのお義父さんの気持ちを思うとやりきれなくてですね。。。
自分がモノ作り好きなせいかもしれないけど、このシーンには胸を打たれました。
はあ。なんだか語り始めると止まらないな。とにかくとっても良い作品です。例えばアニメや漫画がすき、原作が好き、コトリンゴが好き、ほそやんがすき、小野Dが好き、軍艦が好き。きっかけは小さなことでもいいから、是非劇場に足を運んでみてください。この映画、「劇場で」見ることが大切かなって思います。大画面で、あの音響で見るから感じるものがあると思うんですね。。。普段戦争モノは怖くて悲しいから見られないって人にもぜひ見てほしい。
*
たしかに優しいだけの話ではないけれど、最後には救いがあるので、ちょっとだけ勇気を出して見てみてください。おすすめです。