「少女終末旅行」という漫画が面白かったのでそのあらすじとともに感想を書いています。
あらすじ
遠い遠い未来の話。地上の資源はすっかり枯渇してしまった。人間はほとんど滅びてしまった。世界に取り残された二人の少女は、愛車「テッケンクラート」に乗って世界を渡り歩く。誰かを探すでもない。絶望に暮れるでもない。たまに太陽が差し込むぐらい。(その後は、土砂降りの雨だったりもするけれど。)
世界は真っ白な終末世界のまっただ中。それでもチトとユーリ、二人の少女の間には確かな「日常」があって、ほのぼのと暮らしている。敵もいない、味方もいない。たまに誰かと出会っても、微笑みを交わして優しくすれ違うだけ。テッケンクラートはゆっくりゆっくり進んでいく。世界はゆっくりゆっくり滅んでいく。
タイトルにスチームパンクって入れちゃったけど、実は言うほどスチームパンクではない。でも、スチームパンク好きな人は好きな世界観なんじゃなかろうかと思って入れた次第。
キャラクター
ちーちゃん
ゆーちゃん
チトとユーリという二人の少女が主人公。のんびりやのユーリとしっかりもののチト、二人のバランスが非常に良く取れている。どちらも年齢は不明だけど、幼い見た目とは裏腹にちゃっかりしっかりしている印象。(特にユーリはかなりのちゃっかりさん)1巻では食べ物を勝手に食べたユーリをチトが殴るなどのシーンもあるけど、それも「ぷんぷん!おこだよ!」みたいな感じで、基本はほのぼの。資源の危機なんだろうけど、それに目立って急かされるような印象は受けなかったなあ。
「アイアムアヒーロー」のようにゾンビが出てくるわけでもなく、
ただ淡々と世界が終わりを迎えていく。
食べれば食べる分だけレーションはなくなり、飲めば飲む分だけ水はなくなる。雨が降ったら進めないから、軒下で休む。寒ければ火を燃やして暖を取る。こう言っちゃなんだけど、ある意味で「晴耕雨読」とも言えるような生活を送る二人。
たまーに出てくるサブキャラも、どこかサイコパスというか、只者ではない感じがあって終末世界によく似合っている。世界の雰囲気としてはFRAGILE~さよなら月の廃墟~を思い浮かべていただければ、だいたい相違ないと思う。

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百合なの?
いやー、百合ではないと思う。見方によっては百合に見えるところもあるかもしれないけど、二人の間にあるのは友情では。世界にふたりきりというところで、互いに「かけがえのない相手」というのは間違いないだろうけど。
ディティールが甘い部分もあり、「なぜこうなった?」「このシステムはどうなってる?」「ここに至るまでの経緯は?」など、細々と突っ込みたくなる人間には合わない作品かも。まぁこれから明かされるのかもしれないですが。
例えていうなら、桜が散るのを眺めるように、「ああ、世界が終わっていくなあ」とまったり退廃を味わう作品。3巻の発売が楽しみです。
と思ったら3巻発売してました。。。