化石のある駅。仙台・地下鉄東西線
突然ですがこちらをご覧頂きたい。
お分かりいただけるだろうか。
化石である。
そしてこれがどこにあるかご存知だろうか?
なるほど、写真の右隅にうっかり「仙台市科学館」の文字が映り込んでしまっている。しかしこの化石があるのは科学館ではない。
なんと、地下鉄仙台駅である。
2015年12月より運行した地下鉄東西線。その開通とともに、仙台駅には新たに待合コーナーと切符売り場ができた。地下コンコースにつながる、新しいスペースである。
その待合スペースに、化石が展示されていた。
何事かわからぬ。わたしには全く分からぬ。なぜ化石。なぜ地下鉄。なぜ待合室。
花を飾るとか絵を置くとかならまだわかる。百歩譲って意味深なオブジェでもいい。
地層とか化石で有名な都市でもないのに、なぜ化石なのか。
竜の口層とは?
仙台で有名な化石の採集地。
約600万年前頃から奥羽山脈の火山列の東側に海が入り込んできました。この海の海底に堆積した地層が竜の口層とよばれる海成層です。
今でいう、広瀬川の近くにある地層の一部のこと。
魚のほか、 クジラやアシカなど、哺乳類の化石が見つかっている場所とのこと。しかも市民から発見報告が寄せられているということで……なんとまあロマンスの有り余るお話。竜の口層で、今日から君も化石ハンターだ!
ちなみにこの地層は現在の竜の口沢にあるそう。
そして竜の口渓谷は仙台緑の名所100選にも選ばれる観光(?)スポットなのである
なるほど、それなら最初からそう言え。
なんだこの地層オタク向けの展示は……もうちょっと観光と絡めるとかなかったのか…せめて地底の森ミュージアムと合わせて紹介するとかさぁ、マップを出すとかさぁ…
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しかし、こういうツッコミどころ満載な脇の甘さが仙台らしいなぁとも思うのである。悪くない。