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気仙沼の思い出の話

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気仙沼の「カントリーロード」の話をします。

気仙沼から唐桑・陸前高田方面に向かう道は山道で、ヘアピンカーブなどもある峠道だった。

その峠の一角に、「カントリーロード」という名前のドライブイン・喫茶があった。

 

駐車場がやたら広くて、お店はログハウスのような作り。

入口近くには丸太で作ったブランコがあって、小さい頃はそれを揺らして遊んだものだった。

最後に行ったのは、もう10年以上前の事になる。

 

店の中は天井が高くて、羽の長い換気扇がぶわんぶわんと回っていた。

本棚には古びたマガジンや、漫画の冊子などが置いてあった。

 

ときどき食べに行ったものだが、料理の味はよく覚えていない。

ナポリタンをいつも注文していたような気もするが、特別美味しかったとか、そういう思い出はない。

ただ、いつも料理のボリュームがとんでもなくあったことは覚えている。

あまりに多い時は、プラスチックのパックに詰めてこっそり持ち帰らせてくれた、ような気がする。

 

一度だけ、同行者が頼んだランチのサラダに、輪ゴムが入ってたことがあった。

たまたま入ってしまったのだろうけど、あまりよい気分ではない。

店の人はお詫びにと、デザートをサービスしてくれた。

でも、彼は少し潔癖なところがあるので、それ以来あの店を避けるようになってしまった。

そして私も。

 

それからもう10年以上になる。

いまはどうなっているのか、震災の後も営業をしているのかは知らないし多分行くこともないけれど。

思い出の場所として書き残しておきたい。

 

(画像:https://pixabay.com/